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6速クロスミッション組込

ヤマハ YZF1000R サンダーエース

ヤマハ YZF1000Rサンダーエース

ヤマハ YZF1000Rサンダーエース


以前、勤めていたショップからのお付き合いのお客様です。
今回のオーダーは、6速クロスミッションの組込というヘビーなカスタムです。

元々、サンダーエースはツアラーとして開発されたバイクで、ルーツはFZR1000になります。
ツアラーですから、トルクを生かした5速ミッションが装備されています。
しかし、このエンジンのベースはFZR750で、当時TT-F1というカテゴリーのレースが盛んにおこなわれていて、その時にFZR750R(OW-01)というレースのホモロゲーションを取得する為だけに生まれたバイクがあります。
サンダーエースは、このOW-01とエンジンが兄弟みたいなもので、部品の流用が可能です。
今回は、そのOW-01の6速クロスミッションを移植することになりました。


YZF1000Rサンダーエース エンジン降ろし

早速、車体からエンジンを降ろします。
文章では一行ですが、外す物が多く、エンジンも重たいので大変です(T_T)


サンダーエース エンジン単体

エンジンを降ろしました。
次は、エンジンを上の方から分解していきます。
シリンダーヘッドカバー、シリンダーヘッド、シリンダーとバラしたところで、ふと気付きました。
シリンダーヘッドが3分割になっている事に・・・
今回、5バルブのジェネシスエンジンを初めて分解しましたが、シリンダーヘッドがカバーと、ヘッドアッパー、ヘッドロアーの3分割になっていて、バルブを外さないと、アッパーとロアが分割出来ないんです。


サンダーエース エンジン分解清掃

エンジンを分解して、洗浄します。
パーツの外側は洗浄台で洗い流していきます。
一番大変な作業は、燃焼室とピストン、それからバルブのカーボン落としです。


YZF1000R シリンダーヘッド カーボン落とし

コツコツと地味な作業を終えると、いよいよ本題の腰下に移ります。
腰下をばらして、ミッションを取り出し、またまた洗浄をして6速ミッションを移植します。
クランクケースを分解したついでに、消耗品を交換します。
中でも、このエンジンはスターターのワンウェイクラッチがウイークポイントらしく、ASSYで交換します。
その他にも、ミッションベアリングやカムチェーンガイドなど、今回の作業でしか交換できないパーツを交換しました。


サンダーエース 腰下完成

洗浄も終わり、ミッションも問題なく組込、腰下が完成しました。
次々に組上げたいところですが、ここまででオイルポンプを手動で回し、オイルラインのチェックをします。
オイルフィルター→ミッションのシャフト→クランクシャフト→オイルパイプと順番にオイルが出てくるのを確認します。

次にピストン、シリンダーを組付けて、もう一度手動でオイルポンプを回し、チェックします。
今度はシリンダーの上面から出てくるのを確認します。

次に、シリンダーヘッドを組上げます。
ステムシールを交換し、バルブをセットしてシリンダーヘッドが単体で完成。
いよいよ腰下と合体です。

シリンダーヘッドを規定トルクで締め付けて、ここで最終のオイルチェックです。
手動でポンプを回し、シリンダーヘッドからオイルが出てくるのを確認してオイルチェックは完了です。

カムシャフトを組み、タペットクリアランスを測定してエンジン単体の完成です。
最後に車体にエンジンを載せる作業ですが、ジャッキを使い載せますが専用のジャッキではないのでエンジンハンガーボルトの穴に合わせるのに苦労しました。

エンジンも無事に搭載して、マフラー、キャブ、外装を取り付け、冷却水、オイルを注入したら、いよいよエンジン始動です。
緊張の一瞬ですが、セル一発で無事にかかりました。


文章では、ほんの数分で読み終えてしまう作業ですが、実際はかなりの時間を費やしました。
オーナー様、お待たせして申し訳ありませんでした。


排気量 1000 cc
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